日本産婦人科医会は、体重制限などによる無月経や疲労骨折などが女子スポーツ選手の中で多く起きているという現状を受け、産婦人科医を対象に、女子スポーツ選手を診察できる医師の育成へ取り組むこととなった。
(参照:婦人科検診の現実 受診は時間と費用負担が障壁に)
Photo:200m Epic By oscarandtara
女子スポーツ選手は厳しい体重制限を強いられる場合があり、なかには生理が止まってしまうケースもある。とくに、陸上・長距離や新体操は体重制限が厳しく無月経や疲労骨折が広がっている。無月経が疲労骨折の要因のひとつともいわれており、指導者1045人を対象に行われたアンケートでは、このことを認識していたのは47%と半数以下だった。さらに「知っている」と答えた指導者のうち選手の月経を把握していないのは47%となり、その理由として男性指導者の場合、プライベートな部分のため聞きにくいなどの声がとくに多かった。また女子スポーツ選手の診察に関して認識が不十分である、地域によって差があるなど、適切な治療が施されていないこともあった。
女子スポーツ選手を診察する医師育成に向け、今年9月から全国で産婦人科医を対象に講習会が行われる。月経と女性ホルモンに関する資料の作成や、ドーピング違反にならない薬の使用についての講習などが予定されている。