国立感染症研究所などの報告によると、歯科医療機関の約7割が歯を削る医療機器を治療毎に滅菌せず使い回していることがわかった。ウイルスや細菌への感染の恐れもあるため治療毎の交換を呼びかけている。
(参照:看護師たち心電図異常の警告音に気付かず、心不全の男性患者死亡)
Photo:whrrrrr By Rob!
報告によると調査は特定の県3152施設の歯科医療機関を対象に実施。そのうち回答を得られたのは28%にあたる891施設だった。今回調査の対象となったのは歯を削る為のドリルを取り付ける柄の部分である。891施設のうち「患者ごとに必ず交換」と回答したのは34%、「感染症にかかっている患者の場合は交換」が35%、「時々交換」が14%、さらに、「交換していない」と回答した歯科医療機関は17%もあった。
直接歯に触れる部分ではないが唾液や血液が付きやすいということもあり、日本歯科医学会は高温で滅菌した器具との交換を指針で定めてはいるが、66%の施設で指針を逸脱している結果となった。調査は他の県でも行われたが、滅菌せず使い回していた歯科医療機関の割合は平均71%だった。