政府によるアジアの医療人材育成支援が本格的な動きを見せている。まずはブータンで医学教育のカリキュラムを策定し、人材育成を支援していくこととなった。これは、日本の医療技術や医療機器を海外へ普及していく構想の一環である。
(参照:北フィリピン医学大学長が富山県内の病院を訪問)
Photo:Monklets. #bhutan By Christopher.Michel
日本の医療技術を学びたいというブータンの要望もあり、今年中にも両国で内容の検討を始めていく。カリキュラム策定の検討は有識者会議で行われ、両国の医師らが参加する予定である。人材育成は、ブータンの病院施設内に新たに開設される施設で行われ、まず看護教育で基礎を約2年間にわたり学び、その後医師や薬剤師、理学療法士など専門分野で2年間技術や知識を習得する。日本の専門医がインターネットを通じて内視鏡を使用した大腸がん診断などを指導するコースもある。ブータンは人口72万人に対し医師数が外国人医師含め200人足らずという慢性的な医師不足ということもあり、本カリキュラムによる現状の改善が期待できるだろう。
政府は今後、今回ブータンで策定するカリキュラムを使用した人材育成支援をカンボジアやラオス、ミャンマーで行うことを視野に入れている。