日本赤十字社は4日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会にて、これまで献血血液の感染症検査を20人分まとめて行っていたのを1人分の血液ごとに検査する「個別NAT(核酸増幅検査)」へ変更することを決定した。8月1日より開始となる。
(参照:エイズウイルス2013年度の調査 HIV感染者・患者の多さ過去2番目)
Photo:Blood Donation By BWJones
昨年、献血血液の感染症検査でHIV感染者の血液が検査に通過し、輸血を受けた患者がHIVに感染するということがあった。現在、献血血液の感染症検査は20人分をまとめて検査しているが、より高い安全性を保障するため個別に検査する体制へと見直すこととなった。8月から全国8カ所の検査施設で同時スタートとなる。
1990年から導入となった「NAT」は当初は500人分をまとめて検査していた。しかし精度を高めるため翌年には50人分、2004年からは20人分と1度に検査する人数を減らしてきた。日本赤十字社は精度を高くしても感染初期のウイルスが検出できない空白期間(ウインドウ・ピリオド)をなくすことができないとして、引き続き「責任ある献血」への協力を呼びかけている。