2010年8月30日、大分大学は女性の研究者の育児と研究をサポートするため「女性研究者サポート室」を開設すると大分県庁にて発表した。県内の大学では初の試みとなる。女性研究者のニーズに対応する仕組みをつくり、研究者のレベル向上や女性教員の比率引き上げを目指す。
文部科学省の研究資金助成の一つである科学技術振興調整費のうち、女性研究者支援モデル育成事業の分野で大分大学のプランが採択された。女性研究者支援モデル育成事業は、「大学や公的研究機関を対象として、女性研究者が研究と出産・育児等を両立し、研究活動を継続するための支援を行う仕組み」を構築するためのモデル事業支援策。平成18年度から実施され、東京女子医科大学や熊本大学などで実施されている。
大分大学は女性研究者の比率を、教員は現在の15%から20%へ、修士・博士課程の学生は29%から35%へ引き上げることを目標とする。事業費は3年間で上限1億円。
環境面では、大分大学キャンパス内に授乳ができる休憩室を設置。保育園に病児保育の導入を検討。研究支援策として学長裁量の経費に「女性枠」を設ける。更に、「地域社会との連携」も提示、将来的には地域医療の担い手を確保するため、地域企業、県との支援体制を作り、出産・育児で現場を離れた女性医師の復帰を支援したい考え。
サポート室長に任命された松浦恵子医学部准教授は、30日の会見で、「研究者としてのレベルアップだけでなく、個人として輝いている女性研究者を増やしたい」と語った。