神奈川県横須賀市で12日、病気を患っている人や高齢者に「食べる力」を取り戻すことをテーマに医療従事者が集まる全国大会が開催された。医師や看護師によるNPOや介護に携わる人が約400人参加し、最近の研究成果や課題についてディスカッションを行った。
(参照:心身の不調、多様な医療制度への不安・・・「家庭医」に相談)
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国の調査では65歳以上の在宅高齢者のうち45%の人が噛んだり飲み込んだりする力に支障があるとされ、それにより栄養失調に陥っているケースもある。しかし高齢者でも食べる力を取り戻すことはでき、近年では食べる力の回復に取り組む医師や歯科医師などが増えてきている。
横須賀市で開催された全国大会では「食べる力」についての実例や最新の研究結果や今後の課題が取りあげられた。東名厚木病院の山下巌医師は、75歳以上の肺炎で入院した患者120例を検証。その結果、最大5日で9割近くの患者が食べる力を取り戻すことができたことがわかった。しかしその一方で救急医療現場での食事制限が不必要な場合もあるとして、患者の食の取り扱いを見直す必要性を説いた。NPO理事長である小山珠美看護師は、「専門家の力を合わせ、食べたいという願いを実現していきたい」と話している。