富山大学付属病院小児科は、国内で初めて免疫不全症のひとつである遅発性アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症の診断・治療に日本で始めて成功したと、7月11日に発表した。患者は4歳の男児で、3月に兄弟からの骨髄移植を行った後、現在は通院しつつ通常を生活を遅れる程度にまで回復したという。
ADA欠損症は血液中の酵素「ADA」の異常により、感染症にかかりやすくなるという難病。治療を受けた男児は感染症にかかることが多かったことから検査を行ったところ、男児のADAが正常値の一割以下しか見られなかった。
その後解析を行った結果遅発型のADA欠損症と診断されたため、兄弟から3月に骨髄移植を行い、4月に退院した。1歳以降に発症する「遅発性」は症状がわかりにくく、診断がついたのは今回が初となる。小児科の金兼弘和講師は、男児の順調な経過を報告し、症状を見逃さないようにと理解を呼びかけた。