4日、長崎市茂里町にある日赤長崎原爆病院が2013年度の被爆者診療概況を発表した。入院患者のうち4割近くを悪性新生物(がん)患者が占めており、入院患者の平均年齢も前年より1歳上回り、高齢化が進んでいることがわかった。
(参照:AICS 5mlの血液で複数のがん検査が可能 婦人科がんの早期発見も)
Photo:Peace Park By kalupa
入院被爆者の平均年齢は男性77.3歳、女性79.1歳で全体では78.3歳と前年よりも1歳高くなる結果となった。疾患は、がんが4割近くを占め745人。とくに肺がんが最も多く238人、多重がんを発症した患者は28人いた。その他には整形外科疾患は332人、呼吸疾患は156人となった。
新外来受診者は被爆者が減少傾向だったが、被爆2世の受診は2年連続で増加傾向だった。被爆者の受診者は前年度よりも21人減少の3579人。被爆2世の受診者は371人増加の4188人となった。この発表に対し平野明喜院長は、被爆者の高齢化を考慮してより一層ケアに務め、被爆2世のデータも今後の医療に役立てていけるよう努力していきたいと述べている。