清水建設は5日、手術室の空気環境を可視化する3次元シミュレーションシステム「手術室空気環境予測システム」の開発・実用化を発表した。すでにモックアップ試験によりシステムの信頼性は確立されており、これを活用することによって空気環境のカスタマイズが可能となる。
(参照:てんかん発作を心臓の動きで予知する装置を開発)
Photo:Operating Room By Scott & White Healthcare
基本的に手術室の空気環境整備は、NASA(米航空宇宙局)が開発した基準や換気回数に基づいて行われている。しかし、これまで医師や医療機器等が空気環境に与える影響においては確認されず、無人・機器未設置の状態での検証となっていた。近年、最先端の医療機器が次々と導入され、かつ手術室に立ち入る医師や看護師も増えてきている。清水建設はこれらのことを踏まえ、手術室の面積や形状を考慮し、人が入室したり医療機器を設置したりした場合の空気環境を可視化しカスタマイズできるシステムを開発した。
従来のモックアップ実験では限られていたレイアウトパターンも、新しいシステムにより時間や予算の負担も少なく様々なレイアウトパターンのシミュレーションが可能となっている。