兵庫医科大学の善本知広教授ら研究チームは、アトピー体質ではない人がアレルギー性鼻炎を発症するメカニズムを解明。米オンライン科学誌プロスワンにて発表した。
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アレルギー性鼻炎はアトピー体質の人に多く、原因となる化学伝達物質を誘導する免疫物質lgE抗体が血液中で増加していることが確認されていた。アトピー体質ではなかった人が鼻炎を突然発症するケースは約10年前から確認されており、局所性アレルギー性鼻炎を放置するとアトピー疾患やぜんそくへと重症化してしまうという。
研究チームは、マウスに7日間毎日ブタクサの花粉を点鼻。するとマウスの鼻粘膜にlgE抗体や抗体の生成を促すリンパ球の一種であるT細胞が確認され、局所性アレルギー性鼻炎となった。さらに3週間にわたり点鼻を続けるとアトピー体質の人と同じく血液中のlgE抗体の増加が確認された。さらに花粉を吸入させるとぜんそくの症状も見られた。善本教授は早期発見することで原因となる免疫細胞の働きを抑制し進行を食い止めることができると話している。