医学生奨学金の貸与審査のあり方を見直すべきかもしれない。山形県出身の31歳の男性が、宮城、新潟、長野の3県4市から「地元医療機関で働くこと」を約束に医学生奨学金を受けていたが、医学部を退学したことにより約束を守れないとして4市から返済要請を受けていることがわかった。男性は重複して奨学金を借りており、すでに受け取った奨学金について多くは返済できないと主張している。
(参照:岩手 地域医療の理解を深めるサマーガイダンスを開催)
Photo:Japanese Yen By maccath
男性は2011年に東海大医学部に編入学。宮城県栗原市と登米市、新潟県魚沼市、長野県大町市の3県4市に奨学金計3080万円を借りた。しかし、同年末から不眠や動悸の症状が出るなどして2013年に退学。すでに受け取った奨学金について男性は多くは返せないと主張。連帯保証人の父親も返済できないとして民事再生手続きで返済額の減額を申し立て6月に開始が決定となった。これに対し栗原市は決定の取り消しを求め、他3市も法的装置を検討している。奨学金の用途について男性は入学金や学費、生活費に充てていたとし、重複申請については4市で働くつもりだったと話している。
近年、医師不足のために奨学金を導入する自治体は増えてきている。しかし、他の自治体で借りているかは文書や口頭での確認のため、今回の重複申請を見抜けなかったという。