病院の誤診により当時12歳の男児が腸管梗塞で死亡したとして、両親が佐賀市と同市にある民間の2病院に損害賠償を求めた訴訟の控訴審が4日行われた。福岡高裁は、市と民間の病院に2035万円の支払いを命じた。
(参照:看護師たち心電図異常の警告音に気付かず、心不全の男性患者死亡)
Photo:Nisseki hospital By ignat.gorazd
2006年3月25日、佐賀市の当時12歳だった男児が嘔吐をしたため同日に佐賀市の休日夜間こども診療所を受診。嘔吐下痢症と診断されるが症状が回復せず、翌日26日に同県にあるロコメディカル江口病院と同診療所、さらに別の病院も受診したが、27日に「腸重積症」による腸管梗塞で死亡した。男児は腸にポリープができる疾患を持っており、両親は誤診により死亡したとして市と2病院に損害賠償を求めた訴訟を起こした。
2010年の1審判決では、過失は認められないと判決が下った。しかし今月4日に福岡高裁で行われた訴訟の控訴審判決では、吐き気止めを処方しても症状が悪化したことから、嘔吐下痢症ではない可能性も考え慎重に対応をするべきであったとして過失を認定した。別の病院に関しては訪問の時点ですでに救命の可能性がほぼなかったため、賠償責任を認めなかった。