【医学部人気の過熱ぶり】
私が受験生だった1980年代では私立の新設医学部は受験生自体が極めて特殊な立場(開業医や事業経営者など超富裕者 の子弟など)であったため、通常の受験とは全く異なる状況で、まともな精神構造をしていて少し勉強ができれば、いやできなくても(?)合格自体は難しいものではなかったはずだ。むしろ学費を払えるかどうかの方が難しい問題だったろう。今受験生を持つ親たちの世代とほぼ一致するだろうから、かつての医学部受験の常識は現在では全く通用しないのだ。杏林大学や北里大学あたりは日大や東邦、女子医大と比べても全く遜色ないかまたはむしろ難関とも言える。さらに、 最近の傾向として、面接や小論文を重視する大学が増えていることも注意が必要である。欠席日数が多い者、評定平均が悪いか偏りが大きい者は敬遠される傾向があるし、停学の経験があるなどもってのほかだ。逆に皆勤、生徒会などで活動した者、運動系の部活動で実績の高い者、読書家で考え方がしっかりしている者、音楽や芸術などで情操面が豊かな者、ボランティア活動に熱心な者、海外留学などして視野が広くかつ英語が得意な者、は歓迎される傾向がある。
筆者紹介
七沢英文(ななさわ・ひでふみ)
中央大学法学部卒 塾講師、家庭教師などを経験。
1997年より医学部受験専門予備校YMS講師、現在YMS取締役兼同機関誌「Lattice」編集長。
NPO法人「ジャパンハート」理事。
趣味:オートバイ、車、写真、映画鑑賞、麻雀、料理、旅行など (しかし、現在まったくできない状況、泣!)
※記事提供元:女性医局『七沢塾~カリスマ講師直伝連載コラム~』「医学部人気の過熱ぶり」 (コラムの閲覧には会員登録が必要)