23日、自動車部品大手デンソーや信州大学、東京女子医科大学らは共同で手術時の医師の手や肘を支える医療支援器具「iArmS(アイアームス)」の開発を発表した。来春には販売を予定している。
(参照:脳波で自動走行する「ロボット車いす」を開発 実用化を目指す)
アイアームスはアーム型のロボットで、医師が腕を乗せると内蔵のセンサーで重さや動きを感知するというもの。手ぶれや手の疲れなどの軽減効果があるとして、信州大学では9月から利用を開始している。販売は2015年から始め、価格は980万円としている。手術支援ロボットとしては米国製の内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」もよく使用されているが、価格が3億円以上と高価。今回デンソーから販売されるアイアームスは「手の静止」に機能を絞ったためコストが大幅に下がった。
しかし患者にとってはまだまだ課題がある。ロボット手術による公的保険の適用は前立腺ガンだけであるため、その他のガンでは先進医療にも認められず、ロボット手術の場合、200万前後の治療費が患者負担となる。米国でも前立腺がんの患者が多く、その実績データが多く集まったために米国製の「ダヴィンチ」が前立腺がんの公的保険の適用につながったとされている。