世界保健機関(WHO)の報告によると、9月28日時点でのエボラ出血熱感染者数は7178人、そのうち死亡者数は3338人となった。2週連続で減少傾向ではあるが、実際の人数は統計以上に達しているとも言われている。未承認薬や抗HIV薬などで治療が行われているが、確実に有効で安全な薬やワクチンはまだないため、早急な対応が求められている。
(参照:エボラ出血熱 世界的脅威に支援追加も)
Photo:Ebola Virus By NIAID
現在、エボラ出血熱の治療には未承認薬ZMappやアビガンが使用されている。リベリアでは感染者15人にHIV治療薬のラミブディンを投与したところ13人に回復の兆しが見られた。新薬の開発には多大な費用がかかる。そのため、マラリアやガンなどに比べて患者数の少ないエボラ出血熱の治療薬開発にこれまで製薬会社は乗り出さなかったという。しかし、拡大する感染に有効性が確認された薬やワクチンへの早急な対応が求められている。
タイのシリラート病院の研究チームは、治療に有効な物質を作り出したと発表。これまで報告されてきたエボラウイルスの抗体よりも5分の1小さいサイズの抗体を作ることに成功した。今後、サルなどでその有効性を実験するとしている。