今年9月にiPS細胞(人工多能性幹細胞)による網膜再生手術が行われ、再生医療にさらなる期待が高まっている。年内には再生医療の普及に欠かせない技術者を育成するための人材育成団体を設立する動きがあり、京都大学教授の山中伸弥氏らが講演を行った。
(参照:世界初 iPS細胞による網膜再生手術 政府は今後の手術支援に前向き)
Photo:Shinya Yamanaka By Rubenstein
9月12日、理化学研究所や先端医療センター病院などの研究チームは、加齢黄斑変性の女性患者にiPS細胞を用いた移植手術を行い成功を収めた。術後の経過も良く、塩崎厚生労働大臣はiPS細胞手術の支援を強化する意向を示している。
そして今月17日、京都大学教授の山中伸弥氏や理化学研究所の高橋政代氏らが再生医療に携わる技術者を育成するための団体「再生医療支援人材育成コンソーシアム」の設立について話し、技術者を目指す大学生ら500人が講演に耳を傾けた。山中氏は、iPS細胞を使った再生医療には研究者だけでなく培養を行う人や管理する人、患者に説明するコーディネーターなどの様々な人材が必要であるということを説明した。今後、団体は3つの大学で教育を受けられるようにしていき、培養方法だけでなく再生医療に関する法律の学習などもカリキュラムに含んでいくという。