女性の人権や思想の自由を守る為に貢献した人や団体に与えられる「サハロフ賞」にコンゴ民主共和国の産婦人科医デニス・ムクウェジ氏が選ばれた。ムクウェジ氏は約4万人の女性に対し治療や職業訓練などのサポートを続けてきたという。
(参照:日本へ恩返し、そして祖国の復興を―静岡県で奮闘するアフガニスタン出身医師)
Photo:Denis Mukwege By Internaz
ヨーロッパ議会は21日、「サハロフ賞」に女性患者の治療に尽力しながら人権を訴える活動も行い続けているムクウェジ氏を選んだことを発表。紛争地帯のコンゴ東部では女性が兵士などからの性的暴力に遭うことが多く、強姦されたあとに女性器に化学薬品をかけられ火傷を負わされるといった残忍なケースもある。ムクウェジ医師の病院には性的暴力の被害を受けた女性が毎年3500人以上訪れて女性器の再建手術を受けている。この功績に2009年には国連人権賞、2013年には、もう一つのノーベル賞とも言われている「ライト・ライブリフッド賞」が贈られている。
人道援助活動家は武装グループから脅迫を受けることが多いが、ムクウェジ氏も度重なる脅迫だけではなく2012年10月には襲撃を受け、ムクウェジ氏を守ろうとした警備員が殺されるなどの事件も起きている。