東京大学の藤田敏郎名誉教授らのグループの研究によると、慢性腎臓病に高血圧の治療薬の一種が有効であることがわかった。28日、英医学誌にて論文を掲載している。
(参照:大阪大学病院 国内初の心臓弁移植手術)
Photo:B0007543 Kidney cortex By wellcome images
塩分を摂りすぎると高血圧症や腎臓疾患、不整脈や心疾患になるリスクが高くなる。腎臓疾患は、過剰な塩分摂取からナトリウムを排出するために腎臓に大きな負担がかかり、その状態が続くことで機能が衰えてくることが原因となる。さらに、ナトリウムを排出するために血液内で大量の体液交換も行われ、結果的に血圧が高くなる。腎臓での濾過機能に負担がかかるほど自律神経が血液量を増やすため、血圧が高い状態が続いてしまう。
藤田名誉教授らの研究グループは、腎臓での塩分吸収を促し血圧上昇を抑える薬を慢性腎臓病患者に飲んでもらい、尿中に含まれるたんぱく質を調査。その結果、腎臓病患者に推奨されている塩分摂取量の1.5倍にあたる9.4グラム以上を摂取していた患者のうち約20%の尿中に含まれるたんぱく質の減少を確認した。