先月、日系カナダ人男性が羽田空港到着時に発熱をうったえ、エボラ出血熱が疑われた。結果は陰性で事なきを得たが、病院や検疫所ではさらなる体制強化の動きを見せている。
(参照:エボラ出血熱治療に期待 富士フイルム「アビガン錠」追加生産へ)
Photo:Onboard quarantine inspection at Narita airport By Jun Seita
エボラ出血熱の潜伏期間は2〜21日となり、その間は陽性反応が出ないため検疫通過後に発症する可能性もある。海外からの入国者は年間2800万人以上にのぼり、水際での対策が最も重要となる。米国で二次感染者が交通機関を利用し大きな不安と混乱が起きたが、それにより感染者が出たという報告はない。各国でエボラ出血熱への対策はとられているが、空気感染するなどの誤った認識をもつ人も多く、混乱を防ぐべく正しい理解が求められている。
感染拡大、二次感染を防ぐために病院や検疫所では渡航履歴の確認を強化し、体温測定や防護服の在庫を増やすなど体制の見直しが進められている。神奈川県にある第1種感染症指定医療機関の横浜市立市民病院では、防護服の在庫を100着から400着に追加、さらに感染症内科の医師は最新の状況を把握しマニュアルを策定するなど二次感染予防を徹底している。