顕微鏡でないとその姿を見ることができない微細胞生物ミドリムシ(学名・ユーグレナ)。栄養素が豊富なミドリムシを使った商品開発に注目が集まっている。
(参照:iPS細胞による網膜細胞移植 2例目は来年夏にも実施)
ミドリムシは淡水に生息する藻類であり、体長は0.05~0.1ミリの微細胞生物である。ビタミンやミネラルのほか、必須アミノ酸など59種類もの栄養素を含んでおり、とくにパラミロンという成分には感染予防や抗がん剤副作用低減、コレステロールやストレスなどの低減も期待できる。
ミドリムシを食品に活用したのが、東京都文京区にあるユーグレナ社である。東大や大阪府立大と共同で特殊な培養液を沖縄・石垣島で開発し年間60トンの粉末を生産できる環境を整えた。粉末は藻類のため昆布だしのような味がするという。
ミドリムシの可能性は食品だけにとどまらない。武田薬品工業はパラミロン成分をつかって医薬品の開発に乗り出している他、エステティックサロンの「ソシエ・ワールド」はミドリムシを使った化粧品を発売。さらに、ユーグレナはいすゞ自動車や日立製作所と共同でミドリムシから油を抽出し、バイオディーゼルの開発を開始している。
この万能な微生物にはまだまだ注目が集まりそうだ。