平成25年度の国内の犬・猫の推計飼育頭数は20,615千頭であり、動物は非常に身近な存在といえる。ペットを室内飼いする人も多いが、誤った知識を持ったまま接すると動物由来感染症「ズーノーシス」になることもあるため、注意が必要である。
(参照:セアカゴケグモ 咬まれたら適切な処置・医療機関選びを)
Photo:IMG_0399 By ChikoBirdyhof
ズーノーシスとは「脊椎動物と人間との間で自然に移行するすべての病気または感染」と世界保健機関(WHO)が定義しており、世界に840種以上あるとされている。そのなかでも特に国内で問題になっているのは回虫症やエキノコックス症など60〜80種類にも及ぶ。感染経路は、動物とヒトの接触や咬み傷などによる直接伝播と、水・土壌汚染や食品などによる間接伝播があり、免疫力の低い高齢者や乳幼児、妊婦は特に予防に努めなければならない。
感染症対策の3原則として、1.宿主動物対策 2.伝播対策 3.侵入阻止対策に大きく分けられ、口移しでごはんをあげない、触ったあとは手を洗うなど、動物との適切な距離と正しい知識が重要となる。厚生労働省では「愛玩動物の衛生管理の徹底に関するガイドライン」を作り注意を呼びかけている。