年間1万人に1人の割合で小児がんと診断されている。治療率も大きく向上してきたが、長期的な治療は患者だけでなく家族への負担も大きい。どの地域でも標準的な治療を行えるよう、拠点病院や地域病院の連携に向けた整備が進められている。
(参照:肝臓がん 日本人特有の遺伝子変異が見つかる)
Photo:Yuujin By Debs (ò‿ó)♪
小児がんと診断されている子どもは年間2000〜2500人いると推計されている。小児がんの多くを占めるのが白血病や脳腫瘍、神経芽腫や悪性リンパ腫などである。とくに白血病は33%、脳腫瘍は22%と多い。医療の進歩で小児がんの治療もここ数十年で進んでおり、70〜80%が治るようになってきている。しかし、小児がんは治癒後も発達障害や臓器障害などが起きることもあり、社会的な支援も必要とされている。
2012年6月に「がん対策推進基本計画」が閣議決定され、5年以内に小児がん拠点病院を整備することが盛り込まれた。厚生労働省は、翌2013年2月に15病院を拠点病院に指定、今年2月には国立成育医療研究センターと国立がん研究センターが小児がん中央機関に指定された。広島大学病院では広島赤十字・原爆病院や山口大学病院とテレビ会議で患者の症例などの情報交換をするなど、連携体制の構築を進めている。