12日の世界保健機関(WHO)の報告によると、エボラ出血熱による死者はすでに5千人を超えており、感染拡大のスピードも脅威的なものとなっている。国内ではエボラ感染疑いのある男性が一般の医療機関を受診したことが明らかになり、感染流行国への渡航歴のある患者の意識の低さや医療機関のずさんな対応が問題となっている。
(参照:エボラ出血熱 医療機関や検疫所でさらなる体制強化へ)
Photo:Ebola in Africa 2014 By AJC1
都内在住の60代男性は今月4日にリベリアから帰国し、7日には38度以上の発熱があったが、検疫所に連絡する前に一般の医療機関を受診していた。検査で陰性と判明するも医療機関では渡航歴を確認しておらず、対応の不充分さも問題視されている。これを受け、塩崎恭久厚生労働相は11日、対策強化として医療機関で患者に渡航歴提示を要請することなどを呼びかけた。
エボラの潜伏期間は21日間とされており、検疫法によって日本到着から21日以内にギニアなどの感染流行国での滞在歴がある場合は朝晩の体温を検疫所に連絡することとなっている。この間に体調に異変があれば一般の医療期間は受診しないことを原則としていたが、今後は指示書にも明記し、より周知を徹底することとなった。厚生労働省はウェブサイトにて医療機関が利用するための渡航歴確認の資料を公開し、エボラ出血熱の指定医療機関がない県に対しても早急な体制整備をするよう求めるという。