医療事故により年間1300~2000件で患者が死亡しているという。その原因を第三者機関が調査する医療事故調査制度が来年10月からの運用開始を控えており、厚生労働省や医師、弁護士などが指針作りに動き出している。
(参照:医療版事故調 法案が成立 全国計約18万カ所の医療機関が対象)
Photo:R0027293 By urasimaru
14日、医師や弁護士、医療事故被害者の遺族が集まり、指針検討の会合が開かれた。医療事故調査制度とは、患者が医療事故で死亡した際に遺族が医療機関の調査結果に納得ができない場合、第三者機関が調査を行うという制度であり、この新制度は来年10月より開始となる。会合では、どのような医療事故を対象とするのかについて明確な基準を定めるべきといった意見が出された。調査する項目や調査のありかたなども含め、来年2月までに指針を作成する。
群馬大病院では平成22年度から今年6月の間、腹腔鏡手術を受けた90人のうち8人が術後短期間で死亡したことが報告されている。同病院の野島美久病院長は、実施体制に問題があったと認識していると明らかにしている。さらに千葉県がんセンターでも今年4月に腹腔鏡手術により患者が死亡し、これまでに死亡患者の11人が調査対象となっている。