今や塾が人格形成の場!?
前回、学習塾を選ぶ際の条件として、①環境 ②教員 ③教材 ④実績の4つの点に絞り、①の環境について記したが、今回は②の教員から。これがもっとも重要だろう。
まず、塾の講師は子どもの尊敬の対象になる。担任制をとる塾では、極端な成果主義者や競争を煽りすぎる講師には、たとえ合格率が高くても預けるのは危険 だ。人格形成期の子どもの精神や価値観に大きな影響を与える可能性があるだけに、塾長を始め講師の人柄には細心の注意を払うべきだろう。
意外と穴場な個人塾!?そして重要な「教材」のこと
特に将来医師として病める人の支えとなることが目標であればなおさらである。さらに、デリケートな問題でもあるが、新興宗教の傘下にある塾・予備校もあるので、その辺りも調査を奨める。おかしな教義で大事な我が子の人格をゆがめられてはかなわない。
説明会がある場合には参加した方がよいし、多少うるさがられても指導方針や教育理念について個別相談を受けることを奨める。その上で、生徒の学力の伸ば し方に工夫があるか(ただくり返し学習させる、大量の問題を与えるなどでは効果は期待できない)、ある程度の厳しさがあるか(講師と生徒が仲良くなりすぎ て緊張感のない塾はお薦めできない)、継続させるノウハウ(どんなに特徴的なカリキュラムを敷いていても生徒はすぐに飽きる)を持っているかなどがポイン トであろう。ただし説明会開催日にはそれなりに装っているので、平常時に見学に訪れるのもよいかもしれないし、営業トークにはめられてその気になってしま う場合もあるので、常にうますぎる話には警戒心を忘れずに。
これとは対照的に、元高校の教師が個人塾を経営しているケースも多くある。これは当たり外れが大きいが、中には良心的でかつ実力のある教師もいるので、 考慮するする価値は大だ。ただし、情報は口コミくらいしかないので探し当てるのは骨が折れる。子どもが良くできる友達にどこの塾に行っているのかを聞いて 回るしかない。または、高校のベテランの教師に相談してみるのもいい。先輩教師で定年後に塾を開き、後輩教師から生徒を斡旋してもらっている例もある。
超進学校の教師の中には予備講師顔負けのカリスマ教師がいたりする。学力増進だけでなく、人間教育の面からも信頼できる教師にであえるかもしれない。
筆者紹介
七沢英文(ななさわ・ひでふみ)
中央大学法学部卒 塾講師、家庭教師などを経験。
1997年より医学部受験専門予備校YMS講師、現在YMS取締役兼同機関誌「Lattice」編集長。
NPO法人「ジャパンハート」理事。
趣味:オートバイ、車、写真、映画鑑賞、麻雀、料理、旅行など (しかし、現在まったくできない状況、泣!)
※記事提供元:女性医局『七沢塾~カリスマ講師直伝連載コラム~』「学習塾を選ぶための条件パートⅡ」 (コラムの閲覧には会員登録が必要)