北米神経科学学会は18日、ワシントンD.C.で記者会見を開き、60代以上の肥満者は1年で2%近くの海馬が収縮しているという研究結果を発表した。
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研究では60~64歳を対象とし、被験者の半数は肥満体だった。アメリカでは高齢になるほど肥満になりやすい傾向がみられるため、今回の研究結果で高齢者の健康をとりまく現状の深刻さが浮き彫りとなった。研究当初から肥満被験者の海馬は標準体重の被験者よりも小さく、さらに収縮率も細身の被験者よりも早く、その収縮率はアルツハイマー病に匹敵するという。
近年、日本でも肥満者の増加がみられ、男性の場合は世代を問わず増加傾向となっている。男性の40代〜60代では肥満者が30%以上を超える一方で、女性は20代〜40代で低体重者の割合が増加傾向にある。30代で肥満の人は、肥満でない同年代の人と比べ認知症リスクが3.5倍も高まると言われている。認知症の発症には生活習慣が関係しているため、日々の予防・改善、とくに、男女ともに中年期は肥満になりやすくなるため、体重コントロールが必要である。