相模原市中央区にある相模原中央病院で開腹手術を受けた女性患者の体内にタオルを置き忘れたとして、女性患者が執刀医と病院に対して損害賠償を求める訴えを起こした。
(参照:医療事故調査制度 運用に向けた指針作り開始)
Photo:Scalpel and Clamp By tudedude
女性患者は昨年5月に虫垂炎で入院し、腹膜炎の疑いから開腹手術を受けた。女性患者が術後に痛みを訴えたためレントゲン検査をしたところ、不自然な陰影が見つかった。再度開腹手術を行い、縦44センチ、横29センチのタオルが折りたたまれた状態で入っていたのが発見されたためただちに摘出した。女性患者は、病院側の対応からうつ病になったと訴えている。
今回の件のように、体内にガーゼなどの異物を置き忘れる事例は少なくない。公益財団法人日本医療機能評価機構(JCQHC)のデータによると、今年1〜3月の間に体内へのガーゼ置き忘れは4件、ガーゼ以外の異物置き忘れは10件あった。今年4月にはさいたま地裁にて、心房内に医療用縫合針を置き忘れ、手術後すぐに心房を切開し針を探すも発見することができなかったとして、体への重大な影響はないにせよ常に自身の体に異物があるという患者の不安を考慮し、700万円という高額慰謝料が認定されたケースもある。