30代で結婚・出産するケースが増えてきている中、注目を集めているのが卵子凍結である。とくに今は妊娠を予定していなくても将来的に妊娠をしたいと考えている女性にとって、卵子凍結は大きな選択肢のひとつとなる。
(参照:フェイスブックとアップル 女性社員の卵子凍結保存に補助金)
Photo:kisses By {Charlotte.Morrall}
医療法人オーク会の船曳美也子医師が卵子凍結説明会に来院した女性を対象に実施したアンケートによると、子どもを持とうとしなかった理由で一番多かった回答は「パートナーの不在」だった。2位は「仕事上の理由」で3位は「心の準備ができていなかった」と続いた。
年代が上がるごとに妊娠の確率は低くなり卵子も年老いてくる。卵子の老化は、活性酸素の影響を受け染色体の異常が起こることにより引き起こされると言われている。活性酸素はしみやしわだけでなくがんや脳梗塞などの原因ともなり、加齢とともに抗酸化力が低下することで活性酵素の影響が高まってしまう。岡山大の中塚幹也教授らが行った卵子の凍結保存についての調査では、成人男女1144人のうち70%が否定的な回答だった一方で、35歳以上の女性では肯定的な回答が多かった。
賛否両論はあるが、女性にとって卵子凍結が大きな選択肢であることに変わりはない。高齢出産や採卵でのリスクもあるため、十分に理解・納得してから行うのが望ましいだろう。