小学校で心臓発作が起き、救命措置が必要になるケースは過去5年で447件に上る。どうすれば友達の命を救うことができるのか、「減らせ突然死~使おうAED~実行委員会」が小学校の授業向けに副読本を作成し、無料配布することとなった。
(参照:救急車のAEDが使えず患者死亡、警察は因果関係否定)
Photo:AED II By halfrain
日本心臓財団の調べでは、2011年12月時点でAEDの設置数は38万3247台。医療機関や消防機関は全体の2割、他8割弱は公共施設などが占めている。AEDの普及率は日本が世界一とも言われているが、使用時にバッテリーが切れていたり、体表面に当てる電極パッドが劣化のため作動しなかったり、AEDが設置されている保健室が施錠されてから児童が発作を起こし、対応が手遅れになってしまったりするというケースもみられている。日本救急医療財団はAEDの設置基準を公表し、設置だけで安心はせず、いざという時に使えるようにメンテナンスを行うことを呼びかけている。
小学校での救命措置が必要となるケースも少なくない。実際に、突然死の特徴としては男子の割合が高く、小学校4年生頃からその確率が上昇し、中学や高校では多くみられる。AEDの副読本はイラストやひらがなを多用して小学生にもわかりやすく、具体的にまずなにをすればいいのかなどを解説している。副読本は5万部発行され、希望する小学校に無料配布される。