国境なき医師団は、11月25日に学術研究向けウェブサイト「MSF Speaking Out(MSFの証言活動)」を開設。これまでMSFが行ってきた活動についての対応や経緯についても公表している。
(参照:エボラ出血熱 国境なき医師団が国際社会の対応に遺憾)
ウェブサイト「MSF Speaking Out( MSFの証言活動)」では、ここ40年の歴史の中で起きた人道危機についての証言活動について公表している。1984~1986年のエチオピアでの飢きんと強制移住や、1994~1995年のルワンダの新体制の暴力、最近では1994~2004年のチェチェン共和国の戦争犯罪と恐怖政治など、研究者、学者、人道援助従事者を対象とした10本の証言活動について掲載している。
MSFの証言はときに賛否両論を招くこともあるが、エボラ出血熱でも医療活動と政治的提言をし、国際社会による継続的支援の重要性を訴えてきている。MSFインターナショナル会長のジョアンヌ・リュー医師はウェブサイトの開設について、MSFの証言やそれに至るまでの経緯、極めて複雑な緊急事態において下された重要な態度決定の過程などを明らかにしていると説明している。