WHO(世界保健機関)は2日、エボラ出血熱による感染者数が2万人を超え、死亡者数が8000人に達したことを発表した。いつウイルスが持ち込まれてもおかしくない状況にあり、国内でもエボラ出血熱対応マニュアルが配布されるなどの対策が進められている。
(参照:エボラ出血熱 国境なき医師団が国際社会の対応に遺憾)
Photo:Ebola response training By Army Medicine
日本国内ではたびたびエボラ出血熱の感染疑い例が報告されている。幸い全てのケースで陰性ではあるが、流行国から帰国してくる日本人は少数ながらも確認されており、いまだ感染リスクは充分に考えられる。そのため、先月「東京都エボラ出血熱対応マニュアル」が作成され、約200部が保健所などに配布された。このマニュアルはエボラ出血熱対策に特化し、保健所や東京消防庁、指定医療機関等などの役割を明確化した主旨の内容となっている。
先月、医学誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」ではエボラ出血熱より回復した患者に関する論文が発表された。回復した患者は抗体を持つことから再感染の危険性がほとんどないという。そのような患者はワクチン接種をしたと同じであり、血清の活用も行われている。