国境なき医師団(MSF)は、シエラレオネに妊婦向けの治療施設を開設したことを発表した。シエラレオネに暮らす人々は未だエボラ出血熱の流行により命の危険に脅かされている。感染した妊婦の致死率は高いといわれており、早期の治療が重要となってくる。
(参照:エボラ出血熱 感染を水際で食い止めるための対策、適切な処置)
Photo:Sierra Leone 0009 By babasteve
10日、国境なき医師団は廃校となったメソジスト教会系男子校を利用して、エボラ出血熱に感染した妊婦のための治療施設を開設した。早期治療で生存率を上げていくことを目的としている。エボラ出血熱に感染した妊婦の致死率は高いといわれており、とくに女性は病気になった家族などの世話をすることも多く、感染するリスクも高くなるという。現在、治療施設には1人が収容されており治療を受けている。
さらに、国境なき医師団はリベリアとギニアで米バイオ製薬会社キメリックスの抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」と富士フイルムのインフルエンザ治療薬「アビガン」の臨床試験を開始している。昨年11月に臨床開始予定をしていたが、準備に時間を要し遅れが生じた。アビガン錠が有効なのはエボラ出血熱だけではなく、昨年10月には英ケンブリッジ大学の研究チームがアビガン錠の投与により「致死突然変異誘発」しノロウイルスを治癒することが可能であるという見解を出している。