くすりの適正使用協議会は、全国の調剤薬局において、外国人患者への対応に関する調査を実施した。それによると、薬剤師の66%が外国人とのコミュニケーション不足を感じていることがわかった。
(参照:東京五輪オリンピック・パラリンピックに向けて 厚生労働省が「医療通訳士」育成支援へ)
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック。すでに2013年には外国人旅行者数が年間1000万人を突破しており、東京オリンピック・パラリンピックの際は約80万人が来日すると予測されている。開催に向け、医療機関でも外国人の受け入れ体制の整備が進められているが、未だ課題は多い。全国の調剤薬局を対象に、くすりの適正使用協議会が外国人患者の対応状況についての調査を実施したところ、国籍別では中国、米国、欧州圏、フィリピン、インドなどが多く、英語での対応が多い国が多かった。しかし、薬局に英語対応可能な薬剤師が「いない」と回答した薬剤師は78%。さらに、外国人患者への対応に不安を感じている薬剤師は88%にものぼった。日本人患者と比べるとコミュニケーションも最低限のことしか出来ていないという回答が66%となり、薬の副作用といった不安要素の確認も出来ていない現状である。
また、薬剤師の93%が参考にする英語版医薬品情報がないと訴えている。現在、外国人患者が月に1回以上は来るという調剤薬局は54%。言語の違いから生じるコミュニケーション不足を解消するための対応が必要とされている。