感染すると手足が壊死して死に至る恐れのある、通称「人喰いバクテリア」。近年、患者数が急増している。致死率は50〜70%、救命のタイムリミットはわずか48時間とされており、感染してからの迅速な対応が必要となる。
(参照:エボラ流行の影響ではしかの感染者増加 予防接種率低下が原因か)
Photo:Vibrio Cells 1 By adonofrio (Biology101.org)
人喰いバクテリアの正式名称はビブリオ・バルニフィカス菌といい、主に魚介類の体内に生息し、海水温が上がると大繁殖する。ビブリオ・バルニフィカス菌に感染している生の魚介類を食べたり、傷口が海水に触れたりすることで感染することがある。致死率は50%〜70%とされており、この菌に感染すると手足などが短時間で壊死していき、命が助かっても手足の切断を避けられない場合もある恐ろしい感染症である。
2014年には患者数が1999年以降最も多い263人となり、都道府県別では東京が41人、神奈川が19人、愛知が18人と続く。初期症状として発熱、のどの痛み、手足のしびれや腫れ、吐き気などを感じることがある。感染者には、肝臓の弱いC型肝炎、肝疾患、糖尿病患者などが多いことが特徴として挙げられる。
感染経路が主に喉であるため、手洗いやうがいなどで予防していくことが大切である。また、ゲリラ豪雨のあとに獲れた魚介類も生食は注意する必要がある。