25日、ハンセン病への理解をより深めるために秋葉原や渋谷など都内6か所で啓発イベントが開催された。若い世代にもっとよく知ってもらいたいと、元患者が今も続いている差別などについて話した。
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毎年1月の最終日曜日は「世界ハンセン病の日」に定められている。日本財団が行った18~69歳の男女3,012人を対象とした調査によれば、ハンセン病の認知率は60代で8割以上となっているが、10代・20代では52.3%と、年代による認知率の差がある。さらに、ハンセン病についての正しい知識を持っている人は少なく、8割以上の人が「隔離される」などの認識しかなかった。ハンセン病への差別や偏見をなくす方法としてもっとも必要だと思われているのが「学校などの教育機関で正しい知識を教える」が81.5%、「メディアを通じて」が63.3%だった。今日、国内ではハンセン病は年間5人前後の人が発症しているが、現在では「治る病気」であり、治療後に外見上の後遺症が残るが遺伝病でもなく、回復後に人に接触しても感染することはない。
啓発イベントでは、元患者だった平沢保治さんが、病気のことや今も続いている差別について話した。また、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世やタレントのマツコ・デラックスさんら著名人や一般人などがメッセージをビデオで収録。800人以上のメッセージは特設サイトTHINK NOW ハンセン病でみることができる。