2010年9月8日、厚生労働省の第39回社会保障審議会医療保険部会では、2009年10月より導入された出産育児一時金の医療機関への直接支払制度に関する2回目の検討が行われた。
出産育児一時金の支払い方法については、「保険者から妊婦等へ直接支給する方法」、「受取代理制度」、「直接支払制度」の3パターンが検討され、井上専門委員からは、「支払機関(国保連)を介在させる場合」の仕組みと、医療機関の直接支払いとなる「支払機関(国保連)を介在させない場合」の両案が提示された。
日本産科婦人科学会の海野信也専門委員は、3日に厚生労働省に提出した 「平成 23 年度以降の出産育児一時金制度について」 論点整理案のなかで、頻繁な制度変更は、医療機関、健康保険組合、そして利用者へも不利益となるという指摘を行った。論点整理案では、健康保険組合連合による加盟組合へのアンケート調査の結果、直接支払制度継続求める声は45%となり、すでに同制度が86%の利用率に達していることから定着している制度といえる点を踏まえ、頻回な制度変更には反対の姿勢をみせている、またその中で、直接支払いの対抗が困難な医療機関に対しは、特別な救済制度を設けていくのが正論であると指摘している。
今回の検討の結果、出産育児一時金の直接支払制度の継続には何らかの改善が必要であるという意見に達した。