ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)は22日、イラクで5歳未満児を対象にポリオ予防接種キャンペーンを開始した。590万人の子どもたちの予防接種実施を目標としている。
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感染することにより、手や足の麻痺症状などを引き起こすポリオウイルス。多くの場合は自然と免疫ができてくるが、ウイルスが脊髄の一部などに入り込むと麻痺が一生残ってしまうこともある。日本では1980年の1例を最後にポリオの発生は報告されていない。しかし、海外ではポリオが流行している国が未だ多いのが現状である。
2014年3月にイラクの首都バグダッドのルサファに住む子どもからポリオの感染が確認された。イラクでは2000年以来初めての感染報告となり、国連機関とイラク政府は感染拡大予防のために予防接種キャンペーンを開始した。イラクには治安面の問題から予防接種チームが近づくことのできない地域もあるが、「ポリオ・フリー」の状態を維持していくために、すべての子どもに予防接種を実施する必要があると強調されている。