近年、医療機関の倒産件数が減少する一方で、休廃業・解散する医療機関が増加している。とくに地方では医師の不足や地域偏在などの理由で休廃業する施設が多いという。
(参照:医療業に携わる人々の半数以上 仕事に「働きがい」を感じる)
帝国データバンクは、2007年から2014年の間で休廃業・解散した医療機関についての調査結果をとりまとめた。2014年に休廃業・解散した医療機関は前年比12.7%増の347件となり、2007年以降最多となった。その内訳は、「休廃業」が239件、「解散」が108件となっている。都市部では、「診療所」や「歯科医院」の競合が激化しているほか、事業承継をする後継者がいないなどの問題から休廃業・解散を余儀なくされるケースが多いという。地域別ではとくに近畿や北海道が目立って増加していた。
医療機関の代表は70代が最も多く、次いで60代、さらに80代が代表を務めている施設もあり、後継者問題が深刻化していることがわかる。一方で、医療機関の倒産件数は2012年以降減少傾向となっている。これは、2009年設立された「企業再生支援機構」や「中小企業金融円滑化法」活用の影響もあるという。