「医療事故の刑事罰」に関するアンケート調査で、9割以上の医師が不安を感じながら診療を行っていることがわかった。とくに、逮捕・勾留などによる社会的信用の喪失・失職の不安を感じている医師が多い。
(参照:過去最多 去年1年間の医療事故が2900件超え)
医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」が会員医師を対象に「医療事故の刑事罰」についてのアンケート調査を実施。3,466件の回答の中で「医療事故の刑事罰」について不安に感じている医師は90.7%だった。不安に感じる刑罰や損失の内容としては、逮捕・勾留などによる社会的信用の喪失・失職・キャリアプランの変更が最も多く、「事故防止対策を常にしていても不安はある」「社会的に信用を失うことへの不安が強い」などのコメントが寄せられた。次に多かった回答はメディア報道による社会的信用の喪失・失職・キャリアプランの変更で、「多くの人がメディアを信用してしまうため、二度と医師として働けなくなるのではと思うと怖い」「冤罪であっても取り返しがつかない」などの声があった。
また、その不安から保守的で安全な医療が中心となってしまうという回答もあった。その他にも、裁判プロセスにおける心理的負担や逮捕・勾留・裁判出廷などによる時間の喪失、懲役もしくは禁錮(5年以下)への不安を感じるという回答もあった。