九州大大学院農学研究院の清水邦義准教授ら研究グループは、マンネンタケ科のキノコの「レイシ」(霊芝)に、インフルエンザへの抗ウイルス効果があることを発見したと発表。タミフルよりも阻害効果があることが確認されている。
(参照:タミフル耐性インフルエンザが各地で拡大 静岡でも新たに検出)
Photo:Mushroom By Theophilos
「レイシ」は、和漢薬などに用いられており、これまで抗がん活性や糖尿病改善、前立腺肥大改善、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)への抗ウイルス効果などがあることは確認されていた。研究チームらは「レイシ」から31種類の化合物を抽出し、インフルエンザウイルスに対する阻害効果の確認を行なった。その結果、脂質性の化合物である「ガノデリン酸T-Q」や「ガノデリン酸TR」がインフルエンザウイルスに効果があることがわかった。さらに、強毒性鳥インフルエンザのH5N1型のNAに対しては、タミフルよりも1.5倍の効果があった。清水准教授は今回の結果に対し、タミフルが効かないウイルスもあり、感染予防としてキノコのエキスなどの商品開発につなげたいとしている。