近年、転科を考える若い女医さんが増えてきました。
「より多くの症例に触れて医師としてスキルアップしたい」「ライフスタイルに合わせた働き方がしたい」など、理由はさまざまですね。
では、女医さんが転科するにおいて大切なこととは一体何なのでしょう?
本格的に転科を考える前に、ぜひ参考にしてみてくださいね。
女医さんに人気の転科先 その傾向
最近では、健康診断や人間ドックの専門医を志望する女医さんが増加傾向にあります。
検診や人間ドックでは検査はしても治療をするわけではありませんので、外科や内科のように常に肉体的・精神的プレッシャーに晒されるということがないためです。
さらに、長時間拘束されることもないので家庭との両立など、ライフスタイルに合わせてフレキシブルに働くことができます。
また、皮膚科や眼科、精神科なども女性に人気が高くなっています。
長時間の手術やオンコールがなく、勤務も比較的ハードではないところが人気の理由です。
皮膚科の中でも美容皮膚科などならば、普段から美容に関心の高い女性医師の感性を活かせるという理由もあります。
反対に、時間外の呼び出しなどが多く精神的・肉体的ストレスの大きい外科や内科、小児科などに転科する女医さんは少ないのが現状です。
特に結婚や出産などを経験すると、家庭との両立が難しくなるという点が大きな理由のようです。
転科を考える前に――今の仕事への思い入れを省みて
時短勤務やストレスの軽減など、転科によって得られるメリットも数多くあります。
しかし、デメリットのほうもしっかりと見極め、それを踏まえた上で決断する必要があります。
そもそも転科というのは、今まで積み上げてきたキャリアをすべてリセットして新しい現場で一からやり直すということです。
熟練の先生であっても研修医並みのお給料になる場合もありますし、一から知識を仕入れなおす必要もあります。
また、一度転科をしてしまったら元の科に戻ることはとても難しくなります。
ハードな勤務から離れたいがために転科をしたとしても、転科先の仕事にやりがいを感じないからといって容易に元の科に戻ることはできないのです。
小児科であれば小児科医、外科であれば外科医として今まで築いてきたキャリアや信頼を、しっかりと省みて考えましょう。
もしも、現在の職場で思い描いたようにスキルアップできない場合や、家庭との両立が難しい場合には、転科ではなく働く病院を変えるという手段もあります。
あなたの力を求めているのは1つの現場だけではありません。より広い視野を持ってお仕事の場を選んでみてはいかがでしょうか。
女性医局のコーディネーターとして先生とヒアリングしていると、転科に関する相談や質問をいただくことが多々あります。
美容皮膚科や健診業務への希望をされる先生が多いのが現状ですが、これから先の将来どんな自分でありたいか、医師としてどのような場で活躍していたいかというビジョンをしっかりと描くことをおすすめしています。
また、専門での在宅・訪問診療への業務変更、短時間勤務などの道もございます。
先生それぞれの悩みをお聞きする中で、よりよい選択をご提案できるよう、心がけております。