皮膚科は女医さんに人気の高い診療科です。
残業や呼び出しなどが比較的少なく、家事や子育てと仕事の両立がしやすいのが大きな理由とされていますが、女性にとってスキンケアが身近な関心事であることも人気の理由の一つだと言えるでしょう。
そうした観点から、特に「美容皮膚科」に注目する女医さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
近年は美容医療が注目され、女性の美容皮膚科医も増えています。
常に最先端の美容医療に関わる華やかな印象の仕事ですが、一方で他の診療科と比べクレーム対応が多い仕事であると言われます。
今回はそんな美容皮膚科のクレーム事情について見ていきましょう。
美容皮膚科、美容クリニックとは
一般的な皮膚科は、皮膚の疾患の診療を行います。
これに対して、皮膚に疾患がある場合に限らず、美容を目的とした診療を行うのが「美容皮膚科」です。
具体的にはシワやシミ、たるみなどの改善を目的に、レーザー治療や光治療、ピーリングなどといったさまざまなアプローチで治療を行います。
美容皮膚科、美容外科など美容医療を専門とする「美容クリニック」も増えています。
美容皮膚科にクレームが多いのはなぜ?
美容皮膚科の特徴として、「クレームが多い」ということが言われます。
実際のところ、クレームの数は一般の病院や診療科と比較すると多いようです。
その理由として、主に以下のようなことが考えられます。
・ゴールや正解が一つではない
一般的な疾患の治療の場合、病気の完治や症状の改善などがわかりやすいゴールとなっています。
ところが美容目的の場合、明確なゴールはありません。
また、「何をもって美しいとするか」という価値観も個人差が大きいものです。
このため、「高いお金を払っているのになかなか成果が見えない」といったクレームが生じやすいと考えられます。
・小さなミスが許されない
例えば、一般的な診療科での治療に際して注射の際にちょっとした内出血などが生じたとしても、クレームとなることはほとんどありません。
しかし「きれいになること」を目的とする治療の場合は、ちょっとした内出血や腫れなどでも治療目的と相反するものととらえられがち。美容皮膚科では、施術上での些細なミスや事前の説明不足がクレームにつながりやすいと言えるでしょう。
・接客態度が重視される
エステなどの美容サロンと比較した上で美容皮膚科を選択して訪れる患者さんも多いです。
このため、来院される方には治療を受けるという意識よりも「サービスを受ける」という意識が強くなりがちです。
受付などのスタッフはもちろん、医師や看護師の話し方や態度の良さが求められ、この部分でのクレームが多いのも美容皮膚科の特徴です。
上記のように、患者さんが美容皮膚科に求めるものが一般の診療科とはやや異なることがクレームにつながるケースが多いと考えられます。美容皮膚科に勤務する場合、こうした特徴をよく理解して仕事に臨むことが、クレーム数の減少につながると言えるでしょう。
女性医局への求人の問い合わせ、または勤務希望に「美容皮膚科」を選択する先生も年々増加傾向にあります。しかしながら、長時間勤務、未経験の場合の研修制度、将来的なキャリア、また上記にあるようなクレームへの対応の問題等あり、転職の場合は慎重なる必要があります。迷われた際は、専任コーディネーターへのご相談ください。