女医さんの中には妊娠・出産を機に退職される方もいますが、一方で産休や育休などの制度を利用して出産後も働き続けようと考える方も多いかと思います。
産休や育休は法律で認められる休業ですが、この期間の給与について雇用主には支払い義務がありません。このため産休中や育休中は無給になるのが一般的です。
一方で、基本的に妊娠は病気ではないので保険適用外。
この時期は何かと出費がかさむものです。
こうした支出を補うため、この時期には健康保険などからお金が支給されるさまざまな助成制度があります。
基本的にはすべての働く女性に共通の内容となりますが、女医さんの場合は加入している健康保険が社保なのか医師国保なのかによって、もらえるお金が変わってきます。
妊娠中から出産、育児中にもらえるお金にはどのようなものがあるのか、その条件など基本的なことを知っておきましょう。
妊娠、出産、育児に際してもらえる手当金や助成制度
・妊婦健診費の助成
妊娠してから出産までの間、妊婦は定期的に健診を受けることになりますが、妊娠は病気ではないため妊婦健診費は保険適用外です。
この負担を軽減するため、国は原則14回までの妊婦健診を無料化する方針を打ち出しており、すべての自治体が助成制度を設けています。
ただし、健診費の負担回数については自治体により異なっています。
・傷病手当金
切迫早産やつわりなど、妊娠中の異常で入院や自宅療養をすることになった場合、傷病手当金支給の対象となります。
一般的に1日につき標準報酬日額の3分の2相当額が健康保険から支給されます。
基本的に社保に加入している方が支給対象で医師国保は対象外ですが、組合によっては医師国保の場合でも給与に関わらず一定額といった形で支給されることもあります。
・出産育児一時金
正常分娩の場合、出産費用についても保険適用外となります。
この費用に対する助成として健康保険から支給されるのが出産育児一時金です。
基本的に一児につき42万円、産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合は40.4万円が支給されます。
社保、医師国保ともに対象となっています。
・出産手当金
冒頭でお伝えしたように、産前・産後休業中は給与の支給がない病院が一般的になります。
この期間の生活を支えるために支給されるのが出産手当金です。
基本的に1日につき標準報酬日額の3分の2相当額が健康保険から支給されます。
社保に加入している方が支給対象となり、加入しているのが医師国保の場合は対象外となります。
・育児休業給付金
育児休業は、赤ちゃんを育てる労働者が取得することができる休業です。
基本的に男女問わず子どもが1歳になるまでの期間に取得することが可能です。
この休業中の生活を支えるために雇用保険から支給されるのが育児休業給付金です。
育児休業開始から180日目までは休業前の給与の67%、181日目以降は50%を休んだ月数分受け取ることができます。
育児休業給付金は雇用保険からの支給なので、社保、医師国保ともに対象となります。
ただし、社保が育児休業中の保険料が支払い免除になるのに対し、医師国保は育児休業中も保険料を支払う必要があります。
女医さんが妊娠・出産および育児休業を取るにあたってもらえるお金についてお伝えしました。
お住まいの地区や加入している健康保険によって異なる部分も多いので、自分がもらえるお金や金額について確認しておくことをおすすめします。