厚生労働省は各医療機関が必要と考えている医師数を調査する「必要医師数実態調査」を初めて行い、全国で勤務する医師が16万7千人であるのに対し、さらに2万4千人の医師が必要であることが9月28日わかった。あらためて医師不足の状況が明らかになり、また地域や科目によって偏在があることもわかった。
調査は全国の病院及び分娩取扱い診療所計10,262施設で、回収率は84.8%、約8700施設からの回答を得た。なお初期臨床研修医1万5千人は対象外として集計されている。
調査の結果、必要な医師数は18,288人であり、現員医師数と必要求人医師数の合計数は、現員医師数の1.11倍となった。また、さらに今後医療機関が必要と考えている必要非求人医師数を含めた必要医師数は24,033人であり、現員医師数と必要医師数の合計数は、現員医師数の1.14倍となった。
女性医師については、29,129人で、現員医師数に対する割合は17.4%。女性医師の勤務形態は、正規雇用が71.4%、短時間正規雇用は4.4%、非常勤は24.2%であった。
分娩取扱い医師は7,312人で、勤務形態別の内訳は正規雇用5,988人、短時間正規雇用201人、非常勤1123人と、正規雇用が多いことがわかった。
現在の医師数に対し必要医師数の倍率が高い都道府県は、現在必要数では島根県1.24倍、岩手県1.23倍、青森県1.22倍となり、将来の必要数を加えた場合は岩手県1.40倍、青森県1.32倍、山梨県1.29倍となり、東北地方の医師不足が目立つ。
診療科ではリハビリ科、救急科、呼吸器内科、産科が高い倍率を示した。
厚生労働省は適正な医師の配置のため、昨年度の補正予算で「地域医療再生基金」を設置し、各都道府県に50億円ずつ配布している。