結婚に伴う妊娠・出産、子育てなど、ライフスタイルの大きな変化に対応しなければならない女性医師。
家庭と仕事の両立という大きなテーマと向き合いながら働き続けるには、職場の人たちの理解とともに、その活躍を支援する制度が必要になります。
今回は、多くの家庭を持つ女性医師が実際に「助けられた!」と感じた、職場の制度・環境についてお話しします。
育休のとりやすい職場へ! 「チーム主治医制」
昨今多くの病院が導入するようになった制度の中に、「チーム主治医制」というものがあります。
これは、1人の患者さんにつき1人の主治医ではなく、複数人の主治医がつくという制度です。
一般的には2~3人程度の医師がチームを組み、1人の患者さんを交代で診ます。
ある医師が休む日にはもう1人の医師が「第二の主治医」として対応するのです。
また、チーム主治医制を導入している病院では、勤務時間後にはチームの仲間とバトンタッチすればいいだけですから、時短勤務の女性医師であっても今までどおり即戦力になることができます。
実際に時短勤務の女性医師と働くチームの医師からも「時短勤務でも0.5人分の力にはなるので助かる」といった声が上がっています。
さらに、チームを組むことによって職場の医師同士のコミュニケーションを活性化させ、患者さんの症状について多面的な捉え方ができるようになるといった効果も。
医師としての仕事と家事に追われる多忙な女性医師側からは、「職場の仲間との会話はリフレッシュになる」といった声も出ています。
一定の医師数が確保できる病院でないと実現しづらいといった面もありますが、有効な制度だといえます。
育児支援の肝「院内保育」
今では一般的になってきている院内保育。育児と仕事を両立させる女性医師にとっては欠かせない制度の1つですね。
業務の最中でも子どもの様子をのぞきにいくこともできるので助かるといった声がとても多いです。
当直中などでも対応できるよう、24時間営業の院内保育を導入している病院も中にはあるようです。
しかし、院内保育を利用するにおいてどうしても問題になるのは「お迎え時間になっても帰れない」という時の対応。患者さんの様態が急に悪化した時など、子どもを迎えに行けなくなってしまうこともあるのが女性医師の悩みどころです。
そんな時でも延長保育や、ほかの保育園に通っている子どもを院内保育の保育士さんが迎えにいってくれる制度など、臨機応変な支援を行っている病院が増えています。
さらには勤務中の子どもの世話や家事などを行ってくれるお手伝いさんを病院側が紹介してくれるといった、生活支援まで行う医療機関も。
育児に奮闘する女性医師をサポートする院内保育制度も、日々進化しているのですね。
今注目の「ファミリーサポート制度」
現在注目を浴びている制度に、「ファミリーサポート制度」というものがあります。
こちらの制度は東京医科大学と東京女子医科大学の付属病院で導入されているもので、医師が地域の人々から子育て支援を受けられるといったものです。
地域住民や医科大の学生の保護者などが事前に会員登録をし、医師の子どもの送り迎えや放課後の見守りなどを行うといった仕組み。地域住民と医療従事者とのコミュニケーションの場を増やし、協力体制を構築することができるといったメリットもあります。
まだ全国的には広まってはいませんが、これからの進化・拡大に期待したい制度の1つです。
今回ご紹介した制度はほんの一部です。
さまざまなサポートに取り組んでいる医療機関はほかにもありますので、自分に合った制度を導入している職場を選んで自分らしく働ける環境を見つけましょう。
女性医局では子育て中の女性医師向けに、院内保育完備医療機関、または子育て中のママ先生に理解のある医療機関との連携をしております。
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