ひと昔前までは「男の仕事」といわれてきた医師の仕事も、高度成長期以降に人数が徐々に増え始め、2006年には全国で約28万人もの女性医師が活躍し、女性医師の割合は全体の約17%を占めるまでになりました。
女性医師の数は今後も増加することが見込まれていますが、人数が増える反面、結婚や出産などの女性特有の理由から離職率が高く、35歳を迎える前に離職した女性医師の約70%が、育児のために復職しないのが現実です。
もし、あなたが医師の仕事と母親業との両立が難しいと復職に二の足を踏んでいるのであれば、女性医師が働きやすいといわれる「病理科」の勤務を検討してみませんか?
今回は家庭を持つ女性医師が病理科で働くことのメリットや、理想的は女性の働き方などについて、詳しくご紹介していきます。
女性医師が病理科で働くことのメリット
医師の国家資格はオールマイティーなものですが、多くの医師は研修期間を経て専門分野を決め、外科や内科など生きがいと人命救助の誇りをもって、医師としてのキャリアを積んできたはずです。
しかしながら、病院などの常勤医師の仕事は、夜勤などの長時間勤務や緊急時の呼び出しによる24時間体制の勤務、患者やその家族の対応など、体力的にも精神的にも負担となることもあるでしょう。主婦業や母親業と両立してやっていくのは実質的に困難だといわざるをえません。
しかし、常勤医師の中でも病理科の勤務医であれば、家事や育児との両立もしやすくなります。主なメリットは以下の5点です。
・患者と接する機会が少なく、精神的負担が軽い
・比較的時間に自由がきく
・女性スタッフが多く、家事や育児に職場の理解が得やすい
・体力の消耗が比較的少ない
・早朝の出勤や夜勤、当直がない
女性医師のキャリア継続のためにも病理科医はオススメ
子育て中の女性医師が病理医として仕事を続けるということには、医師としての知識や技術を継続して磨いたり、将来につなげるキャリアを形成したりという重要な意義もあります。医師の仕事は専門的な知識と情熱さえあれば、長く継続できる一生ものの仕事です。
「夜勤がない」「緊急の呼び出しがない」などの病理医は、外科などの花形の分野から比べると地味な仕事と勘違いされやすい部分もありますが、組織診や細胞診などの最新技術で病に苦しむ患者さんの病気を特定し、治療につなげていくという大きなやりがいを持つことができます。
専門的な知識と、高い技術を要求されるレベルの高い仕事なのです。
病理医は基本的に数が少なく、希望すれば育児のために時間的な制限を受けている女性医師でも喜んで受けいれてくれることが多いです。
母親業と医師としての仕事の選択を迫られたら、病理医となる事も選択肢の1つとして、検討してみてはいかがでしょうか。