謂れのないことを主張されたり、自己中心的な発言が目立つようないわゆる「クレーマー」は、残念ながらどの世界にも存在します。
もちろん、それは医療の場でも同じこと。
クレームには本当のことを主張している場合と、理不尽なことばかりを主張してくる場合の2つがあり、後者のほうはまさに悪質クレームといえるでしょう。
患者さんは大切な存在ですが、根拠もないクレームなどの困ったことばかりを繰り返されてしまうと、他の患者さんの迷惑になってしまうこともあります。
そこで今回は、そんなクレーマーともいえるモンスター患者への対処法をご紹介いたします。
女性医師へのセクハラも!? 暴言やセクハラへの対処法は?
悪質なクレームを繰り返す患者さんは、とくに女性医師に対して強い姿勢で向かってくることがあります。
いつも優しくニコニコとしている女性医師ならなおさら。
その優しさに甘えて、発言がエスカレートしたり執拗に体に触らせたりすることもあるのです。
ときにはセクハラ行動が大胆になって、触診などの際に手を掴まれて、自分のほうに引き寄せられるという行動を起こされてしまうことも。
そんなときには、いたって毅然とした態度で接することが大切です。
嫌だと思ったときには言葉にして相手の行動や言動を制し、誰か周りの医師や看護師を呼んだり相談したりしましょう。
また、暴言を吐いてくる方は治療や症状のことで少し心への疲労が溜まっているのかもしれません。
真向に対抗しようとせずに一度相手に話をさせて、肩の力を抜いて対応するようにしましょう。
完治を確約するよう要求される場合
医師の中には、患者さんから病気の完治を確約するよう要求される方もいます。
しかし、このような要求は医療行為の性質上承諾できるものではありません。
医師として最善を尽くす旨を伝え、理解頂く必要があります。
説明しても理解して頂けないのであれば、医師側が処置を拒否することも可能です。
必要以上に責任を追及される場合
治療や施術の結果が思い通りにならなかった場合、医療ミスだと主張する患者さんもいます。
医師による故意過失によるものであれば賠償責任を果たす必要はありますが、そうでない場合、必要以上に対応する必要はありません。
患者さんと話し合いが長引くことが想定されるケースや、話し合いが上手くいかない場合、必用に応じて弁護士を通すことも考えておきましょう。
モンスター患者を見据え対策を練ることが重要
モンスター患者は、いつどこで現れるか分かりません。
今までは人当たりの良かった方が、実は悪質クレーマーを言うモンスター患者だったということもあるのです。
そのため、モンスター患者が現れた場合、医師としてどう対応するべきかというマ手引きやルールをあらかじめ作成しておき、院内で共有をしておきましょう。
ルールを決めて共有することで、どの患者さんに対しても一定水準の対応ができるため、モンスター患者に対しての特別的な対応に追われることもなくなります。
また、個々に対策を考える時間が省けるため、モンスター患者へ考えをめぐらす時間をなくすことがでます。
一口にモンスター患者といっても、そのクレーム内容はさまざまです。
医療内容や金額に対して不当な言いがかりをつけられることもあれば、本当は健康であるのにも関わらず話し相手欲しさに頻繁な通院をしてくるという方もいます。
悪質クレームを言われた場合には、重く心に留めずに同僚や上司への相談をするようにしましょう。