女医として働くといっても、必ずしも同じ診療科で働き続けるわけではありません。特に女性の場合は「結婚」や「出産」といったライフイベントもありますので、転科を検討することもあるでしょう。では、転科をする際には「最適な年齢」というものはあるのでしょうか? 今回は、女医が転科を希望する理由にわけて最適な年齢をご紹介します。
ライフイベントと女医の転科
女医が転科する年齢として、ライフイベントの多い年齢があげられます。結婚、出産を経て育児をしながらもキャリアアップを目指す女医にとって、転科はひとつの手段です。「転科しなければプライベートの時間を台無しにしてしまうかもしれない」と不安になるほど忙しい診療科で働いている女医の場合、結婚や出産前の転科がおすすめです。年齢的には20代後半から30代半ばが最適なタイミングだといえるでしょう。
病院によっては、休みの日であってもほぼ24時間待機と同じレベルで過ごすことを余儀なくされる診療科があります。例えば、救急外来に勤務していたり、各病院で不足している麻酔科医として勤務したりしていると、休みの日でも呼び出しがあることは少なくありません。
結婚したら夫婦の時間を大切にしたいと考える女医の方なら、勤務日と休みの日をしっかりわけてもらえる診療科をおすすめします。「キャリアアップもしたいけれど、家族との時間は大切にしたい」と思う場合は、結婚前に転科できるよう早めに準備を進めましょう。
キャリアアップと女医の転科
キャリアアップを考えて転科する女医の中には、臨床から研究領域への移動を望む方もいます。臨床現場では、忙しくて専門の研究を進めることが難しいのが一般的です。研修を経て現場に出ていても、研究領域へ移ることをあらかじめ決めている女医も少なくありません。
大学病院やその水準に準じた医療機関では、常勤の講師以上のポジションは医学博士号を取得している医師が就くことが暗黙の規定となっている場合があります。そのため、キャリアアップには大学院で博士課程を終えておく必要があるわけです。女医としてのキャリアアップを追求する方は、できるだけ早く博士課程へ進学するほうがよいといえます。研修医を終えて一般的な医療技術の習得を2~5年ほどかけて身につけた30歳前後が最適な年齢だといえるでしょう。研究の世界が進む速度は速いので、始めるのが遅くなってしまうと研究に追いつくのがそれだけ大変になってしまいます。
体力的な限界と女医の転科
年齢を重ねても体力的に無理なく働ける診療科への転科も、女医が長く医療の現場で働き続けるためには有効な方法です。
例えば、救急外来や外科で女医として勤務し続けることに限界を感じる年齢になったときには、年齢を重ねても働くのに無理がない診療科を選ぶほうがいいでしょう。また、最初に選んだ診療科で長く働けるとベストかもしれませんが、実際に働きはじめると、思っていたよりも体力が必要な診療科だったということもありえます。
若いうちの転科がいいといわれますが、転科に年齢制限はありません。疲れを感じやすくなる40歳前後は、体力に限界を感じる女医にとって転科に最適な年齢だといえるでしょう。
女医が転科するのに最適な年齢とタイミングのひとつとして、結婚や出産等が続く30代半ばまで、が挙げられます。キャリアアップを考えた転科なら、30前後がよいといわれています。また、体力的に無理がきかなくなるという理由なら、40代以降になるべく早めに転科することをおすすめします。