分娩時の事故で脳性まひとなった赤ちゃんに対して、過失があるかどうかに関係なく補償金を支払う「産科医療補償制度」について、再発の防止を検討している日本医療機能評価機構は、これまでに分析を終了した保障対象例の15件の半数以上に、医療機関側に何らかの問題があったという報告書をまとめた。
報告書では、補償の対象となった15例のうち半数を超える8例で医療機関側に何らかの問題があったとされている。具体的には「必要なタイミングで胎児の心拍の計測を十分に行わなかった」「出産直後に仮死状態であったにもかかわらず、組成に必要な器具を準備していなかった」など。陣痛を促す子宮収縮薬についても、学会の指針を超過して使用していたケースが6例あったという。
日本医療機能評価機構は、今回指摘したことが必ずしも脳性まひの原因とは言い切れないが、防げることは防げるようにしてもらいたいとコメントした。