厚生労働省は10月12日、高額の医療費を負担する患者の負担軽減策の一環として、70歳未満かつ年収800万以下の世帯の自己負担の金額を減額する案を社会保障審議会医療保険部会に提示した。(参考:2009年度の国民医療費3年連続増加で36兆円を突破 過去最高を更新)
具体的な策としては、年収が300万以下の世帯では4万4000円、300万以上600万未満の世帯では6万2000円、600万以上の世帯では8万まで自己負担の上限を引き下げる。さらに、新たに年間自己負担額の上限も儲け、それを超過した分については払い戻しを行うという。
医療費は原則、患者の3割負担となっているが、自己負担額が一定を超えた場合には払い戻しを行う高額医療制度がある。しかし、自己負担額の上限が高すぎるという指摘は前々からなされており、今回の案はその意見を反映させた形になっている。これらを実施すると医療給付日は3600億円増加するが、厚労省は外来患者から1回100円の追加負担を新たに徴収することで財源を捻出する方針だ。